関東に根づいた、紙で咲く牡丹の花
東の線香花火「長手牡丹」
火を灯すと、静かにひらく火の花。
「長手牡丹」は、関東地方を中心に親しまれてきた、昔なつかしい紙製の線香花火です。
もともと関西で生まれた線香花火は、ワラの先に火薬をつけた“スボ手牡丹”が主流でしたが、関東地方では米づくりが少なく、紙すき文化が盛んだったため、ワラの代わりに紙で火薬を包む「長手牡丹」が生まれました。細長い紙の軸に火を灯すと、火花がじわじわと広がり、美しい牡丹のような光の球を咲かせます。
スボ手牡丹に比べると燃焼時間が長く、じっくりと火花の移ろいを楽しめるのが特徴。パチパチと音を立てながら変化する火花のかたちは、どこか人の一生にもたとえられるほど。最後のひとしずくの光まで、静かに見届けたくなる線香花火です。
15本入りで、夏のひとときを分かち合える本数もうれしいところ。どこか懐かしく、だけど今もなお心に沁みる、日本ならではの小さな花火です。